フリードとシエンタのデザインを、ファッションとの関連性で比較してみました。

先日、ホンダから新型フリードが発売されました✨

この「コンパクトミニバン」のカテゴリーは、フリードとトヨタ・シエンタしかないのですが、

2台ともデザインの方向性が明快で、比較しても甲乙つけ難いですね

今回はこのクラスのユーザーに多いであろう、若い夫婦、特に女性に向けた記事です。

身近なファストファッションのブランドと、クルマのデザインの関連性に着目しました。

この2台でどっちか迷ったら、ご自身のファッションの好みでクルマを選んでみてください!

この記事の著者

プロダクトデザイナー、メディアライター、デザイン専門学校講師、デザイン系クルマ紹介人

渕野健太郎

ふちの けんたろう

プロフィール

自動車メーカーで20年ほどデザイナーとして勤務したあと、 現在はプロダクトデザイナーのほか、自動車メディアへの執筆や、 デザイン系専門学校の講師業などをやっています。 カーデザイナー時代は20車種以上のデザインに携わり、 さらにはコンセプトカーも多数デザインしました。 ここではクルマの魅力を、より多くの方に知ってもらいたいという思いで、 クルマの紹介業をやっています。

フリードのエクステリアは余計な装飾が一切無く、ストイックなほどシンプルに徹しています

通常、クルマの見栄えを良くするのに様々な「小ワザ」を駆使するのですが、

このクルマは小細工せず、良いプロポーションの追求のみに徹している感じですね。

その結果、全体的に品質の高さも感じさせます。

インテリアもとことんシンプルなのですが、ソフトパッドを多用したインパネなどで、

ルーミーで気持ちの良いデザインだと思います。

内外装とも、先代のややコテコテした印象とはだいぶ違いますね。

MUJI 無印良品 ホームページから引用
ユニクロ ホームページから引用

このデザインの方向で、思い浮かぶファストファッションブランドは「MUJI」と「ユニクロ」です。

これら2つのブランドも、ご存じのように、基本的にはとてもシンプルに徹しています。

もちろん遊びが無いというわけでは無く、トレンドも追っていたりするのですが、芯の部分はやはりシンプルでしょうね。

それに、品質の高さもこだわりのポイントだと思います。

MUJIの雑貨などのプロダクトがそうですが、無駄な装飾を無くし機能を追求すると、品質が高く見え始めます。

その点がフリードとの大きな共通点では無いでしょうか?

ですので、普段のファッションがシンプル志向の方、特に普段ユニクロを愛用している方や、

部屋の家具がMUJIのものが多い方などはフリードが絶対おすすめです!

一方、シエンタは見るからにカジュアル方向です。適度な道具感があるデザインは、趣味性も感じさせますね。

一見大きなヘッドライトなどかわいい感じなのですが、

フェンダーがしっかり主張したデザインなので男性が乗ってもサマになると思います。

このクルマもプロポーション良いですね。

ここでいうプロポーションとは、タイヤ4つがしっかり足について、踏ん張り感がある事を言っています。

フリードもそうなのですが、このような高い車高、小さなタイヤ、狭い全幅で、踏ん張り感を出すのは至難の業なんですよ。

この辺りは専門的で難しいので、詳細は割愛します😅

インテリアは、どちらかというと機能を重視したようなデザインです。

フリードと一番違うところは、助手席前のトレイの大きさですね。

フリードはトレイはコンパクトな代わりに、ソフトパッド部分が開いて大きな収納になっています。

それに対し、シエンタはその部分に収納が無い代わりにトレイを最大限大きくしています。

この辺りは使われ方によって一長一短ありそうですね。

GAP プレスリリースから引用
H&M プレスリリースから引用

さて、このデザインの方向で思い浮かぶファストファッションブランドは、「GAP」と「H&M」です。

「カジュアル」というのは定義の幅が広いですが、気軽さや適度な遊びがある、と言い換えますか。

おしゃれだけど緊張しない、脱力感があるイメージですね。

このような「遊び」はファッションに限らず、クルマをはじめ様々なプロダクトでも、

欧米のメーカーの方が上手いと思います。

また、他にもノースフェースなどアウトドア志向の方や、ストリート系志向の方もこちらになると思います。

フリードにはアウトドアに振った「クロスター」というグレードもあり。こちらはシエンタの方向にやや近くなる

今回は自分のファッションの好みでクルマを選ぶ、という選び方の提案でした。

結果的ですが、フリードのようなシンプル系デザインは、日本発祥のブランド、

シエンタのカジュアル系デザインは外資のブランドと、綺麗に分かれました。

歴史から見ても、ストイックにシンプルを追求するのが日本らしいのかもしれません。

和室など最たる例ですね。座るとこ(畳)も棚(床間)も、全て一体になっています。

まさにミニマルデザインですね。

それに対して欧米のインテリアは歴史的に見ても装飾が多いです。

こちらは、より感情に直接訴えかけるデザインといえますね。

フリードとシエンタ、どちらにするかは非常に悩ましいところですが、

今回紹介した選び方もぜひ参考にしてください!

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